10月の始めにフィラデルフィアで開催されたワールド・ティー・エキスポ・イースト2012へ、お茶のビジネスに関わる一員として今回も参加をして参りました。
このティーエキスポ、米国内の現在のお茶のトレンドが学べたり、各社の新製品の発表などもありますし、各セミナーにも参加できるようになっている為、業界人同士のネットワークを広げる場でもあります。以前にも増してはつらつと明るいジェーン・ぺティグリュー女史もセミナーのスピーカーとして来米されており、一緒に写真を撮ってもらったりしながら、セミナーに参加したり以前のエキスポで出会った同業人との再会に喜んだりと、非常に忙しい3日間となりました。
私達 ExquisiTea Co. は、このお茶業界ではまだまだ産まれたてのベイビーです。英語では”Newbie”と言いますね。会場では、「ニュービーかぁ、これからビジネスを大きくする一番楽しい時期だよー。」なんて、会う人会う人に言われました。スターバックスで取り扱われているお茶、TAZO社のチャールズ•ケイン氏や、私の憧れの女性、teas etc社のベス•ジョンソン女史などとも個人的にお話をする機会に恵まれ、今後のExquisiTea Co.ビジネス展開に関する助言なども頂く事ができました。
また、日本人に大人気のHarney & Sons社のジョン・ハーニー氏には、「今年中に絶対工場見学に来なさい!!雪が降る前にね!」と言って頂き、なぜだか分かりませんが手の甲にキスをされながら一緒に写真を撮りました。もちろん、その写真を撮ったのは私の主人です(笑)。ジョン•ハーニー氏、毎朝必ず緑茶を頂くそうですよ!
今回非常に幸運だったことは、日本からの参加者とお会いする機会があった事です。狭山茶専門店、創業明治初年•備前屋さんの清水敬一郎社長です。ジェーン・ぺティグリュー女史のセミナー内で備前屋さんの珍しい釜炒り茶の紹介があった為、米国滞在2日間という強行スケジュールで来米。米国内色々な州で行われる「お茶」に関するセミナーやイベントに今までも幾度となく参加をしてきましたが、私だけが純日本人ということもほとんどだったので、まさか今回のエキスポで日本人の方とお話をする機会に恵まれるなんて思ってもみず、ジェーンの口から彼の名前が出た時は驚きましたが、すぐに日本語でご挨拶に伺わせて頂きました。
自社製品の説明を、非常に分りやすい言葉で温和にお話をして下さった清水社長、アグレッシブな米国社会で日常を過ごしている私にとって、本当にホッとさせられたひと時でした。私達は、水曜日には里帰りの為日本へ発つ日程となっていた事から、残念ながら備前屋さんの珍しい釜炒り茶のテイスティングのセミナーは受ける事ができない旨を申し上げると、わざわざホテルのお部屋までサンプルを取りに戻ってくださり、その優しいお心遣いに主人共々感謝の気持ちで一杯の中、後ろ髪をひかれつつフィラデルフィアを後にしました。この珍しい釜炒り茶、ジェーン•ペディグリュー女史のセミナーでは”Lightly Withered Green Tea, Sayama Pouchong, Fukumidori”として紹介されたようです。
私と主人は、日本の緑茶もAynsley社製お気に入りのテテ•ア•テテセットで頂きます。その昔、発酵茶の紅茶ができる以前はお茶といえば緑茶が主流で、その時代の人達もこんな風に緑茶を飲んだのかしらなどという思いを巡らしながら、日本の緑茶をイギリス製のティーセットで頂くのもまた「おつ」でオススメです。備前屋さんのふくみどり、非常にデリケートな味で後味はスッキリとしており、一口飲んだ後、思いがけずにホッと小さなため息がでてしまうような香り高いお茶でした。袋を開けた瞬間にフワッと香る緑茶のドライ茶葉と、緑茶を淹れた後の濡れた茶葉も観察しつつ、お家カフェで素敵な午後のティータイムを過ごすことができました。狭山茶専門店、備前屋の清水敬一郎社長、本当に有り難うございました。また近い将来、今度はワシントンDCでお会いできる事を楽しみにしております。
日本の里帰りから米国へ戻った10月下旬、清水社長からお手紙が届き、その中には非常に貴重な手揉み茶のサンプルも。これは11月のレッスンで生徒の皆様にもご賞味して頂く予定にしておりますのでお楽しみに!
米国内のお茶消費量は他国と比べると非常に低く、やはりボストンティーパーティーの影響力が強く残っているからか、まだまだコーヒーの方がお茶よりも人気です。しかしアメリカ独立革命以前は、日常的にお茶を飲む習慣があり、米国第3代大統領トーマス•ジェファソンの出納帳にも沢山のお茶を買っていた記録が残っています。ここアメリカで、お茶のビジネスに関わっていらっしゃる皆さん、卸売店の方、小売店の方、またカフェやティーハウスを運営するオーナーだったりと様々ですが、一つだけ共通しているのは「お茶」に関して皆さんかなりのこだわりを持っているという事!もちろん、私もその1人な訳で、こういったイベントで同業者と会う事はお互いの刺激にもなり、また意見交換の場でもあり、益々沢山の人に『お茶』の良さを知ってもらいたいと思った充実した3日間でした。
http://www.bizenya-cha.com/
Comments