ケスウィックホール はモンティチェロで有名なシャーロッツビルから車で20分弱に位置する小規模なリゾート型のブティックホテル。ワシントンDC近辺からだと約2時間ちょっとのドライブ。1990年から1999年までは、日本でも大人気のデザイナー・ローラアシュレイのご主人がオーナーだった為、彼女のモチーフ、花柄の壁紙を使用した部屋もちらほら。アンティーク家具で埋めつくされたホテルは、ヨーロッパの香りが漂うカントリーハウス風。緑豊かなエステートの中にはゴルフコースやワイナリー、スパ、テニスコート、インフィニティーエッジプールなど、大切な人と非日常の時間をゆったりと過ごす為の設備が整えられています。また、ドッグフレンドリーなホテルとしても有名で、この日も沢山のワンコが宿泊していまいた。
アフタヌーンティー予約時間より30分早く着いてしまった私達を迎えてくれたのは、見事な紫陽花たち。そして番犬+ドアストップの大切な仕事を持つダックスフンド!大切なお友達の中にこのワンコを自分の子供のようにとても可愛がっているご夫婦がいる為、彼らに見せてあげたいとパシャパシャと写真を撮る私と主人。
エントランスドアを抜けると、ホテルのロビーというよりは個人の大邸宅を思わせる素敵なフォーマルリビングルームが目の前に広がります。 フレンドリーな マネージャーが「レストランからの絶景を眺めてみませんか。」と声をかけてくれたので、主人の叔母夫婦と主人と共に準備中のFossett’s Restaurantへ。天井から床までの大きな窓から、丁寧に手入れの行き届いたゴルフコースが一面に広がり、その奥には青々とした自然の森林が。
「今度はぜひディナーに来たいねー。」と話をしながらアフタヌーンティーの部屋、Villa Crawfordへ。1912年に建てられた当時のままのフローリングからは年代が感じられます。Villa Crawfordと向かいにあるバーの間を抜けてインフィニティーエッジプールに行ける様になっているようで、宿泊客がタオルと水着だけで行ったり来たりしていました。
私達が通された席はピアノの前のラウンドテーブル。窓からはインフィニティーエッジプールが見えます。すでにティーカップ等がセッティングされてあり、食器はホテル食器としても有名なドイツ製のビレロイ&ボッホ。白地に青の小さな花が描かれたシンプルなティーカップ&ソーサーにデザートプレート。カトラリーはフランス製のクリストフル・パールのデザートナイフとデザートフォーク。ナプキンはティーナプキンではなくディナーナプキン。最近はティーナプキンを使用するティールームが減ってきたなと少し残念に思いながら、ナプキンを膝に広げたその瞬間、叔母が一言。「テーブルクロスのないテーブルでアフタヌーンティーなんて。。。」Mrs. Attention to Detailの別名を持つシャルロット叔母さんの厳しい目が光ります。ホテル側としては、アンティークのラウンドテーブルの木目調を強調したかったのかもしれないのですが、やはりアフタヌーンティーには白いテーブルクロスがあった方がしっくりとくるような気がします。
サーバーのPamはとても教育の行き届いた女性で、紅茶、緑茶、白茶、ハーブティー等の説明を詳しくしてくれました。私と叔父叔母はダージリン、スコッチウィスキーが大好きな主人は、お気に入りのラプサンスーチョン。「デビッド叔父さん、ラプサンスーチョンのスモーキーな香りは、エディンバラで飲んだアイラスコッチウィスキーを思い出させるんだ!」と、同じくスコッチウィスキー愛好家の叔父に真剣に説明する主人。叔父の家族はアイルランド出身で、叔父が小さい頃、彼のお祖母さんがティーカップに残った茶葉を見ながら、紅茶占いTea Readingをよくしていたらしく、そのティーカップを何度覗かせてもらっても、彼にはお祖母さんの言う形にはさっぱり見えなかったと笑いながら話してくれました。
運ばれてきた大きなアンティークのシルバーティーポットに3人分のダージリンの紅茶が、1人用のシルバーティーポットにはラプサンスーチョンの紅茶。サーバーのPamが、アンティークのティーストレーナーを使って紅茶をそれぞれに注いでくれたのですが、このティーストレーナー、常に使っているのか茶渋がびっしりとついていました。「シルバーは磨くのが大変だけれど、やっぱりピカピカに磨いたシルバーの方が雰囲気がでるのにね。」と言う私。「あなたと私だったら曇ったままのシルバーでゲストをもてなす事はないわね。」と駄目押しをする叔母。それでも4人で和やかに紅茶を堪能していると、スリーティアーズが運ばれてきました。
サンドイッチは、定番のエッグサンドイッチ、チキンにカレーのスパイスの効いたサンドイッチ、そして定番中の定番キューカンバーサンドイッチ。どれも大変おいしかったのですが、アメリカでは大変珍しく量が少なめ。物足りなかった男性陣を察知したサーバーのPamが、おかわりのサンドイッチを持ってきてくれました。スコーンはピスタチオと乾燥させたクランベリー入り。ほんのり甘くピスタチオのコリコリ感がとても楽しいお味。デボンシャークリームとレモンカードを添えて頂きました。スイーツは、プチマドレーヌ、ティーケーキとチョコレートムースのプチタルト。これまたアメリカでは大変珍しくすべて甘さ控えめのやさしいお味でした。
総合的には星3.5くらいでしょうか。サービスはA+でしたが、ティーストレーナーの茶渋と磨きが足りなかったシルバーのティーポット、 優雅にアフタヌーンティーをしている私達の横をタオルと水着だけの人達がうろちょろ、 そしてテーブルクロスがなかったという点が少し残念でした。
私を含めた4人全員が”Great potential but not quite there yet”という意見で一致。
同じサービス業をしている私にとって、改めて細かいところに気を配る大切さを学んだ楽しい一日でした。
http://www.keswick.com/keswick_hall.aspx
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